会話は意味付けの仕合であるなあとよく思うんです。

先ずどこかが発したことに対して何か意味付けを以て返すというのが繰り返されるんですが

それが大変興味深いものあったり、うれしかったり、またもや考えさせられたりで、

会話ほど自然発生的でじつに面白いものはありません。

そのなかでわたしがよりおもしろいと思うのが、実態のないものを頭の中をつかって会話するときです。

わたしがいつもおしごとを一緒にしているカメラマンの児玉さんとは、その会話が最高です。

去年の冬でしたが、一緒に大阪に行きました。

赤坂サカスという建物の中での会議だったので、そこに行くためにエレベーターに乗ったのですが、

そのサイズがわたしの人生史上最大でありまして、わたしはびっくりうれしくなり、

すかさず児玉さんに 『このエレベーター、ヒグマも乗れますね!』と言いました。

そうすると児玉さんは 『でも、ヒグマはボタンを押せませんね』と言うんです。

わたしが思いもよらなかったので『え?』といいますと、

『だって、つめが長いから、このボタン押せませんよね』と、ヒグマが押せない感じのしぐさをするんです。

わたしはたしかに、ヒグマがこのエレベーターに乗ったところを想像して話をしましたが、

児玉さんの頭の中では、ヒグマはきちんとボタンを押して上に行こうとしているところまで動いていたんです。

わたしはおかしくなって大笑い。

このように、わたしのあたまに生まれたものが、児玉さんの頭の中にうつりますとさらにいきいきと動き、

それについて不毛にもはなしつづけるこの楽しさ。

(こないだはサル山の話でもこんなことが起きて大笑いしました(笑)

カメラマンさんなどのクリエーターは気づかないうちに精神世界と行ったり来たりでありますから、

この動き方がほんとうに興味深くとにかくおかしいんです。

またこの機会には突然恵まれますから、次がとっても楽しみです。

カメラマン児玉裕美さん (株式会社penelope)

http://studio-penelope.com/